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カルメル会とは

歴 史   現 在   霊 性   参考文献

歴史 Histoire

​⑴ 12世紀、「カルメル共同体」の誕生

 12世紀ごろ、イスラエルのカルメル山(Mt. Carmelには、神を求め、洞窟で隠遁生活を送る人々がいました。彼らのなかには、十字軍や巡礼などでこの地を訪れ、そのままここで暮らすようになったラテン系の人々がおり、彼らは、紀元前9世紀に「私の仕えている万軍の神、主は生きておられる」(列王記上18.15)と叫んだ預言者エリヤを模範とし、聖母マリアに捧げられた聖堂を持ち、小さな共同体を作り、孤独のうちに神を求めるとともに、時には山を下りて人々にその霊的実りを分け与えていました。

 13世紀初頭(1209年頃)、エルサレムの総大司教(ラテン典礼)であった聖アルベルトSt. Albert of Jerusalem, Alberto Avogadro, 1150?-1214)によって、彼ら隠修士たちの生活上の規則(「初めの会則」)が定められました。この会則は、イエス・キリストにすべてを委ね、純粋な心で忠実に仕えるための特別な手段としての祈りを中心とするもので、聖書からとられたいくつかのテーマで構成されていました。聖アルベルトの会則は、その後、1226年に教皇ホノリオ3世(Honorius III)により、また1229年に教皇グレゴリオ9世(Gregorius IX)により、認可されました。

 ところが、当時の聖地はイスラム教徒に奪回されていたため——聖アルベルト自身も、エルサレムではなく西ガリラヤ地方のアッコ(アクレ、Acre)に居住せざるを得ませんでした——、十字軍などとともに西欧から聖地に来ていたラテン系のキリスト教徒たちは、徐々に聖地を離れ、西欧に戻るようになります。カルメル山の隠修士たちも、安全上の理由から帰欧を余儀なくされました。こうして13世紀中葉以降、キプロス、フランス、イタリア、スペイン、イギリス(1242年、Hulne & Aylesford)、ベルギー・オランダ、ドイツなどに、カルメル共同体が生まれていきます。

(写真は、カルメル山の Wadi Oren 洞窟)

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カルメル会とは: 概要

​⑵ 13〜14世紀、「カルメル修道会」の誕生と発展

 13世紀に西欧諸国に広がったカルメル共同体は、カルメル山時代のような隠遁生活を続けることが徐々に困難になり、やがて、当時のフランシスコ会やドミニコ会のように、托鉢修道会ordre mendiant)として新たな歩みを始めることになります。1247年、聖アルベルトの会則を改訂した新しい会則が教皇インノセント4世(Innocentius IV)により認可され、「修道会」として明確に位置づけられました。これは、『エルサレムの総大司教聖アルベルトによって与えられ、インノセント4世教皇により、修正、改訂され、認可されたカルメル山の聖なるおとめマリアの修道会の初めの会則REGLE PRIMITIVE de l'Ordre de la bienheureuse Vierge Marie du Mont-Carmel donnée par St. Albert, patriarche de Jérusalem, corrigée, amendée et confirmée par Innocent IV)』というもので、「原始会則」とも呼ばれます。これは、現在においても、私たちの会則です。

 

 原始会則のもと、カルメル会は西欧において急速な発展を遂げていきます。1287年には9管区、1313年には12管区、1321年には14管区、1362年には18管区にまで増え、会士の数も約1万2千名に達しました(男子跣足カルメル修道会来日50周年記念『賛美と感謝/聖母と共に』23頁参照)。

 

 また、この時期には、カルメル会士のなかから、つぎのような聖人・福者が出ています。

  福者シエナのフランコBx. Franco Lippi, 1211-1291、記念日は12月11日)

  聖アンドレア・コルシーニ司教St. Andrea Corsini, 1302-1373、記念日は1月9日)

  聖ペトロ・トマス総大司教St. Pierre Thomas, 1305-1366、記念日は1月8日)

  聖ヌーノ・アルバレス・ペレイラSt. Nuno Álvarez Pereira, 1360-1431, 2009年列聖、記念日は4月1日)

 しかし、14世紀後半以降、ペストの大流行(1347-1351)、西方教会の大分裂(1378-1417)、百年戦争(1337-1453)などにより、カルメル会を含むカトリック教会全体が、大きな疲弊と衰退を経験します。

 

(下の写真は、南仏マルセイユの Les Aygalades 地区に残る13世紀のカルメル共同体遺跡)

⑶ 15世紀、カルメル会の衰退と改革

 15世紀のカルメル会は、多かれ少なかれ他の托鉢修道会と同様に、大学での称号や教会での高位聖職位を過度に求めたり、清貧の誓いを軽んじたり、あるいは聖務日課office divin)を怠るなどして、徐々に、退廃の危機に瀕するようになりました。

 

 そのような状況において、1432年、カルメル会の側から会則の緩和が要求され、1435年、教皇エウジェニオ4世(Eugenius IV)により、会則の変更が1432年に遡って承認されました。小斎の緩和(待降節と四旬節を除き週3回の肉食を可とする)、修道院内や付属教会隣接地での移動・散策の自由化、さらには大斎(断食)の緩和や修道服の変更などです。この緩和会則は、とりわけスペインのカルメル会で広く受容されますが、一部の地域では、これに抵抗して会の改革を追求する動きも生じました(イタリアのマントヴァ、フランスのアルビやトゥレーヌなど)。

 

 緩和会則を支持する会士と原始会則への復帰を主張する会士たちとの対立が続くなかで、1450年、第25代総長(prieur général)にフランス人の福者ジャン・ソレトBx. Jean Soreth, 1394-1471)が選ばれます。ソレト総長は、緩和会則を遵守しつつも、原始カルメル共同体の理想を再び燃えあがらせようと努めます。焦らず、押しつけず、各地の修道院や管区が徐々に総長の改革志向に従うように努めた結果、総長が新しい会憲を公布できたのは、1462年のことでした。新会憲では、聖務日課、清貧の誓い、沈黙と孤独、学究と労働、修院と修室にとどまること、上長による視察などが重視されています。

 

 ソレト総長の改革は、カルメル会内部において、支持だけでなく反発や抵抗をも生みました。各国・各地の修道院を視察(司牧訪問)し、改革に従うよう根気強く説得を続けたソレト総長は、1471年にフランス西部のアンジェ(Angers)で亡くなりますが、その突然の死は、ナント(Nantes)の修道院を訪問した際に反改革派に毒を盛られたことが原因だとも言われています。

 下図のように、福者ジャン・ソレト総長は、しばしばチボリウム(聖体容器)を持った姿で描かれます。これは、1468年、ブルゴーニュのシャルル無鉄砲公(Charles le Téméraire)がリエージュを襲撃した際に、暴徒により地面にばらまかれたご聖体を、危険を顧みずソレト総長が拾い集め、聖堂に持ち帰ったという逸話に基づきます。なお、このとき、ソレト総長が創設した女子修道院(次項参照)のうちリエージュの姉妹達はブリュッセル近郊のヴィルヴォールデ(Vilvoorde)に避難し、そこでソレト総長の支援のもと、新しい修道院を作りました(1469年2月11日創立。2024年に創立555周年を祝う、現存する世界最古の女子カルメル会修道院となっっています)。

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⑷ 1452年、女子カルメル修道院の誕生

 14世紀以降、ヨーロッパ各地にカルメル会が広がり、修道院が創立されていくにつれ、その周辺に、カルメル会士の霊的指導を仰ぎながら、キリスト教的修徳の共同生活を送ろうとする女性たちのグループが自然発生的に誕生するようになります。これらのなかには、もともと仕事や奉仕をしながら、敬虔で信心深い生活を送る女性共同体として存在していた、ベギン(オランダ・ベルギー・ドイツ)、マンテッレーテ(南イタリア)、ウミリアテス(北イタリア)、ベアタス(スペイン)などと呼ばれる女性たちも含まれます。

 

 1452年、ジャン・ソレト総長のもとで、フィレンツェや、ゲルデルン(オランダ)、ケルケン(ドイツ)において、そのような女性共同体が、貞潔の誓いを条件として、カルメル会士の霊的指導を受けつつ共同生活を送ることを、教皇ニコラオ5世(Nicolaus V)により認可されます。これらが最初の女子カルメル修道院となりました。

 

 さらに、フランス(ブルターニュ)でも、ブルターニュ公妃であった福者フランソワーズ・ダンボワーズBse. Fraçoise d'Amboise, 1427-1485)が、ソレト総長と協力し、ヴァンヌ(Vannes)の男子修道院の近くに女子修道院を創立します(1460年教皇ピオ2世により承認、1463年開院)。3人の聖マリア(聖母、使徒小ヤコブの母、マグダラのマリア)に捧げられたこのヴァンヌの修道院は、フランスにおける最初の女子カルメル修道院となりました(福者フランソワーズ自身も、1468年にこの修道院に入ります)。

⑸ 16世紀、イエスの聖テレサによる刷新、そして女子跣足カルメル修道院の誕生(1562年)

 15世紀中葉に誕生した女子カルメル会は、しばらくのあいだ、同じ会則に従っていたとはいえ、地域により修道院により、かなり異なった生活様式を採っていました。ソレト総長の指導のもとにあったフランドルやフランスの修道院は禁域を守り、会則・会憲に忠実な修道生活をしていましたが、スペインやイタリアの女子修道院には禁域がなく、ベアタスの生活そのままかそれに近いもののようでした(男子跣足カルメル修道会来日50周年記念『賛美と感謝/聖母と共に』25頁参照)。

 

 たとえば、スペイン中部の小さな城壁都市アビラ(Ávila)のご託身修道院Convento de la Encarnación)では、16世紀前半には、「180人余りが生活し、召命の不確実な者が大半を占め、訪問客との世間話に時間を費やし、修道女としてキリストに従おうと生活する者は一部に過ぎなかった」(上掲『賛美と感謝』同頁)とされます。

 

 そのようなご託身修道院に、1535年、20歳のテレサ・デ・アウマダ(Teresa Sánchez de Cepeda Dávila y Ahumada, 1515-1582)が入会します(テレサの入会当時は、修道女はまだ60名ほどでした)。翌年、誓願を立てた彼女は、修道女イエスのテレサ(Teresa de Jesús)となります。のちのイエスの聖テレサ(アビラの聖テレジア)、いわゆる大テレジアです。

 

 テレサが入会した当時の修道院は、修道女を過剰に抱えていたこともあり、経済的基盤の不十分さや食糧不足から、修道女が親類等を頼り数ヶ月にわたり院外で生活することを許容せざるを得ないなど、混乱した状況にありました。当時の修道院を支配していた騒々しさと経済上・生活上の不安定さは、そもそも修道生活として、そしてとりわけテレサの目指す観想生活には適合しないものでした。

 

 やがてテレサは、ご託身修道院における修道生活では、主からいただく内的要求に十分に応えられないことを悟り、とくに1554年、第三の回心決定的回心の2年前)と呼ばれる出来事以降、主イエスと二人だけの間に交わされる親密な友情の交わりである念祷の意義を確信していきます。そして1560年、テレサは、福音的勧告を生きるため、カルメル会の原始会則をできるだけ完全に守りつつ、修道生活の召命の義務に応えることのできる修道院を作ることを決意します。

 

 1562年2月7日、教皇ピオ4世(Pius IV)により、テレサたちの新しい修道院の設立が認可され、8月24日(聖バルトロマイの祝日)、ご託身修道院から徒歩で20分ほどのところに、新しく、聖ヨゼフ修道院Convento de San José)が創立されました。キリストの良き友として、原始会則に忠実な観想生活を送るため、テレサは、自分に与えられた恵みに促されて、この修道院を、孤独と沈黙、禁域の厳守、毎日2時間の念祷、そして、厳しい貧しさの上に築かれた小さな13人の共同体(のちに21人に変更)として、福音的勧告をできるだけ完全に実践するように整えたのです。こうして、最初の女子跣足カルメル修道院が誕生しました。テレサが47歳のときのことでした。

 

 1568年には、テレサの方針に従うカルメル会士3人が、アビラの北東約130kmの小村ドゥルエロDuruelo) に集まり、新しい修道生活を始めました。これが、最初の男子跣足カルメル修道院です。そしてこの3人のうちの1人が、当時まだ26歳の新司祭フアン・デ・イエペス(Juan de Yepes Álvarez, 1542-1591)、のちの十字架の聖ヨハネでした。

 

 イエスの聖テレサが帰天したのは1582年ですが、それまでのあいだに、彼女の奔走により、17の女子修道院と14の男子修道院がスペイン各地に創立されました。

​⑹ 17世紀、ヨーロッパに広がる跣足カルメル修道会

 スペインのカルメル会内部での刷新運動として成立した跣足カルメル修道会は、当初はスペインのカルメル会(緩和派と跣足派を含むカルメル会全体)の1つの管区(1580年、総長直轄の独立管区として教皇グレゴリオ13世により承認)にとどまる方針でしたが、初代管区長であった神の母のヘロニモ・グラシアンJéronimo Gracián de la Madre de Dios, 1545-1614)の積極性もあり、1582年にテレサが帰天した後は、国境を越え、リスボン、コンゴ(ポルトガルの植民地)、メキシコ、また、1584年にはイタリアのジェノヴァ、そして1597年にはローマに、男子跣足修道院が創立されました。女子跣足修道院は、1590年のジェノヴァが最初のものでした。

 

 1593年、教皇クレメンス8世(Clemens VIII)が、跣足管区がカルメル会から分離独立することを認め、ここに、跣足カルメル修道会が正式に誕生します。その後、1597年には、同教皇が、ジェノヴァとローマの跣足修道院をスペイン管区から分離させ新たな管区とし、さらに1600年、両者を、互いに独立した、それぞれの総長をもち自治権を有する修族(congrégation autonome)とします。スペインとポルトガルとメキシコ(コンゴはすでに撤退)が、跣足カルメル修道会聖ヨゼフ修族(スペイン修族)とされ、イタリアを含むそれ以外の地域が、同修道会聖エリヤ修族(イタリア修族)とされました(両者は、1875年に1つの跣足カルメル修道会として再統一されます)。

 イタリア修族では、1602年から1623年までのあいだに新たに10の男子跣足修道院が創立され、また、ジェノヴァの女子跣足修道院から、南仏の教皇領アヴィニヨン(1613年)、イタリア中部のテルニ(1618年)、そしてローマなどに新しい女子修道院が設立されていきます。

 

 スペイン修族からは、イエスの聖テレサの霊的娘たちによって、1604年、パリにフランス最初の女子修道院が創立されます。初代院長となったイエスのアナAna de Jesús, 1545-1621、2024年9月29日列福)は、翌年にはディジョンに、さらに1607年にはブリュッセルに修道院を創立します。イエスのアナを継いでパリの院長となった福者聖バルトロマイのアナBl. Ana de San Bartolomé, 1550-1626, 1917年列福)もまた、後にオランダ(現在のベルギー)に入り、両者の尽力で、ルーヴァン、モンス、アントワープ(1612年)、メヘレン(1617年)、ゲント(1617年)、ブルージュ(1626年)などに女子修道院が建てられていきました。

 

 イエスの聖テレサの娘たちのうち、フランスに最期までとどまったのは諸天使のイザベル(Isabel de los Ángeles, 1565-1644)でしたが、彼女が帰天したときには、フランスには55の女子修道院がありました。これらは、スペイン修族の姉妹たちにより創立されたものの、いずれもイタリア修族に属する修道院となりました。

 

 その結果、イタリア修族はヨーロッパ中に管区を広げていきます。1617年には、イタリア(ジェノヴァ、ローマ、ロンバルディア)、ポーランド、フランス、フランドルに6管区であったのが、1626年にはドイツ管区ができ、また1635年にはフランス管区からパリ管区が独立(さらに1641年にアキテーヌ、1653年にブルゴーニュ、1686年にノルマンディが管区として独立)、そして1701年にはドイツ管区からオーストリア管区が独立というように、欧州中に管区が増えていきました。

 

​⑺ 18世紀、革命と宗教への迫害(準備中)

​⑻ 19世紀、カルメル会の再生(準備中)

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現在 Actualité

 現在、世界のカルメル会は、大きく2つに分けることができます。修道院数・会員数の最も多いものが、イエスの聖テレサの改革に従って生まれた私たちの跣足カルメル修道会O.C.D.)ですが、その流れには入らなかった履足カルメル修道会(O.Carm.)も存在します。これらの2つの会は、同じ起源や聖人をもつものとして、共同で研究を行ったりお互いに講師を招くなど、主の教会のために力を合わせ、よい関係を保っています。

       

 跣足カルメル、履足カルメルのそれぞれに、男子修道会、女子修道会、在世会がありますが、日本には、跣足カルメルのみが存在しており、履足カルメルは来日していません。

  ・男子跣足カルメル修道会(O.C.D.本部のサイトはこちら

  ・男子履足カルメル修道会(O.Carm.)本部のサイトはこちら

 

 また、上記のほかに、カルメル会の精神・霊性を生きつつも、観想修道会ではなく、活動修道会・宣教修道会として存在する新しい修道会・在世会もあります(これらはカルメル・ファミリーなどと呼ばれることがあります)。

 

 そのうち、日本にはつぎの共同体が存在します。

 

  ・カルメル宣教修道女会(C.M.、1860年スペインで創立)

  ・ノートルダム・ド・ヴィ(N.D.V.、1932年フランスで創立)

 2020年9月現在の統計によれば、女子跣足カルメル修道会は、世界97カ国に約8,700人(日本には約100人)の修道女がおり、カトリックの女子観想修道会としては世界最大のものとなっています。また、男子跣足カルメル修道会は、世界90カ国に約4,000人の会士(司教・司祭・修道士)がいます(日本には約20人)。

カルメル会とは: 概要

霊性 Spiritualité

⑴ カルメル会の主な聖人・福者

​ カルメル会には、さまざまな時代に多くの聖人・福者が存在します。まず、主な聖人・福者を簡単にご紹介します。

カルメル会とは: 概要
カルメル会の聖人
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イエスの聖テレサ(アビラの聖テレジア)

1515-1582、記念日は10月15日(カルメル会では祭日)
私たちの修道会の創立者、母聖テレサです。没後40年の1622年に列聖され、1970年9月27日、聖パウロ6世教皇により、女性で最初の教会博士とされました。

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​十字架の聖ヨハネ

1542-1591、記念日は12月14日(カルメル会では祭日)
母聖テレサのよき協力者となり、男子跣足カルメル会の最初の修道者となりました。1726年に列聖され、1926年に教会博士とされました。

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​幼いイエスの聖テレーズ(リジューの聖テレジア)

1873-1897、記念日は10月1日(カルメル会では祝日)
16歳でカルメル会に入会し、24歳で帰天。自叙伝は広く世界中で読まれています。没後28年の1925年に列聖され、1997年、聖ヨハネ・パウロ2世教皇により女性で3人目の教会博士とされました。

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十字架の聖テレジア・ベネディクタ(エディット・シュタイン)

1891-1942、記念日は8月9日
フッサールに師事した哲学者であり、ユダヤ人の無神論者でしたが、1922年にカトリックに改宗。1934年カルメル会入会、1942年8月9日、アウシュヴィッツのガス室で殉教。1998年列聖。

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三位一体の聖エリザベット

1880-1906、記念日は11月8日
21歳でディジョンのカルメル会に入会、26歳で帰天。「三位一体なる神への祈り」を作成したり、数多くのサンタンス(霊的格言)を残しました。2016年10月17日、フランシスコ教皇により列聖。

⑵ カルメル会固有の典礼暦

 カルメル会には、預言者エリヤと神の母聖マリアに加え、12世紀のアルベルト司教以降さまざまな聖人・福者がおり、彼らを記念する固有の「教会の祈り」と「ミサ典礼書」があります。

 

 それぞれの記念日には、固有の聖書朗読と祈りが定められており、私たちは、それを用いて祈ることにより、カルメルの聖人たちの霊性を日々思い起こすようにしています。

 

 以下、カルメル会の諸聖人とその記念日を紹介させていただきます(日本のカルメル会で記念している聖人・福者には、下線を引いています)。

カルメル会固有の典礼
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1月  Janvier

3日 聖クリアコス・エリヤ・チャヴァラ司祭Kuriakose Elias Chavara, 1805-71、インドのケララ出身、「汚れなきマリアのカルメル会」創立、2014年列聖)

8日 聖ペトロ・トマス司教Pierre Thomas, 1305-66、南仏ペリゴール出身、コンスタンチノープル総大司教、1628年列聖)

9日 聖アンドレア・コルシーニ司教Andrea Corsini, 1302-74、フィレンツェ出身、フィエゾレ司教、1629年列聖)

27日 聖エンリコ・デ・オッソ・イ・セルベッロ司祭Enrique de Ossó y Cervelló, 1840-96、スペインのビネブレ出身、「聖テレジアの会」創立、1993年列聖)

4月  Avril

1日 聖ノニオ・アルヴァレス・ペレイラ修道士Nuno Álvares Pereira, 1360-1431、ポルトガル出身、2009年列聖)

17日 福者バプティスタ・スパニョリ司祭Battista Spagnoli, 1447-1516、イタリアのマントヴァ出身、総長、1885年列福)

18日 福者ご託身のマリア修道女Marie de l'Incarnation, Barbe Acarie, 1566-1618、パリ出身、1791年列福)

23日 福者十字架のテレジア・マリア・マネッティおとめTeresa Maria della Croce, Teresa Manetti, 1846-1910、フィレンツェ出身、「聖テレジアの在俗カルメル姉妹会」創立、1986年列福)

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5月  Mai

16日 聖シモン・ストック司祭Simon Stock, 1164-1265、英国出身、総長)

22日 聖ヨアキマ・デ・ベドゥルーナ修道女Joaquima Vedruna de Mas, 1783-1854、バルセロナ出身、「愛徳カルメル会」創立、1959年列聖)

25日 聖マリア・マグダレナ(パッツィ)おとめMaria Maddalena de' Pazzi, 1566-1607、フィレンツェ出身、1669年列聖)

6月  Juin

7日 福者聖バルトロマイのアンナおとめAna de San Bartolomé, 1549-1626、スペインのアルメンドラル出身、跣足カルメル修道会創立者のイエスの聖テレサの秘書兼看護係、フランスやベルギーに修道院を創立、パリの女子跣足カルメル修道院2代目院長、1917年列福)

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7月  Juillet

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13日 イエスの聖テレサ(ロス・アンデス)おとめTeresa de Los Andes, 1900-1920、チリのサンティアゴ出身、1993年列聖)

16日 カルメル山のおとめ聖マリアの荘厳記念Fête de Notre-Dame du Mont Carmel

17日 福者聖アウグスチノのテレジアと同志おとめ殉教者(コンピエーヌ)Carmélites de Compiègne, Mère Thérèse de Saint-Augustin et ses 15 compagnes、1794年7月17日革命政府によりコンピエーニュの女子カルメル会の院長と15人の修道女がパリで処刑、1906年列福)

20日 わたしたちの父 預言者聖エリヤNotre Père Saint Élie, prophète、紀元前10-9世紀)

23日 神の恵みの母 おとめ聖マリアVierge Marie, Mère de la grâce divine

24日 福者聖フランシスコ・ボルジアのマリア・ピラールと同志おとめ殉教者(グァダラハラ)Mártires carmelitas descalzas de Guadalajara, María Pilar de San Francisco de Borja, Teresa del Niño Jesús y de San Juan de la Cruz, María Ángeles de San José,

グァダラハラの3人のカルメル会修道女、1936年7月24日スペイン内戦下で処刑、1987年列福)

27日 福者テトス・ブランズマ司祭殉教者Titus Brandsma, 1881-1942、オランダのフリースラント出身、履足カルメル会士、

1942年7月26日、ナチス・ドイツのダッハウ収容所で殺害、1985年列福)

28日 福者ヨハネ・ソレト司祭Jean Soreth, 1394-1471、仏カーン出身、総長、1866年列福)

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8月  Août

7日 聖アルベルト(トラパニ)司祭Alberto da Trapani, 1240-1307、シチリア出身、管区長、1476年列聖)

9日 十字架の聖テレジア・ベネディクタ(エディット・シュタイン)おとめ殉教者Teresia Benedicta vom Kreuz, Edith Stein, 1891-1942、ドイツのブレスラウ出身、1942年8月9日、ナチス・ドイツのアウシュヴィッツ収容所で殺害、1998年列聖)

18日 福者ジャン・バプティストと同志司祭殉教者(ロシュフォール)Jean-Baptiste Duverneuil, Michel-Louis Brulard, Jacques Gagnot の3人のフランス人カルメル会士、革命政府によりギアナへ追放される船舶内で死去、1995年列福)

25日 十字架のイエスの聖マリアおとめ(マリアム・バウアルディ)Marie de Jésus Crucifié, Mariam Baouardy, 1846-1878、パレスチナのガリラヤ出身、フランスでカルメル会入会、1875年ベツレヘムにカルメル会創立、2015年列聖)

26日 わたしたちの母 イエスの聖テレサの刺し貫かれた心Transverbération du coeur de notre Mère Ste Thérèse de Jésus

9月  Septembre

1日 イエスの聖心の聖テレジア・マルガリータ・レディおとめTeresa Margherita del Cuore di Gesù, Teresa Margherita Redi, 1747-1770、イタリアのアレッツォ出身、1934年列聖)

12日 福者イエスのマリアおとめMaría de Jesús, Maria López de Rivas, 1560-1640、スペインのタルタネド出身、イエスの聖テレサのよき協力者、1976年列福)

17日 聖アルベルト(エルサレム)司教・カルメル会立法者Alberto di Gerusalemme, Alberto Avogadro, 1149-1214、エルサレム総大司教、カルメル山の隠遁者たちに会則を付与、1609年列聖)

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10月  Octobre

1日 幼いイエスの聖テレーズおとめ教会博士Thérèse de l'Enfant-Jésus, Thérèse Martin, 1873-1897、フランスのアランソン出身、リジューのカルメル会修道女、1925年列聖、1997年教会博士)

15日 わたしたちの母 イエスの聖テレジア(アビラ)おとめ教会博士Teresa de Jesús, Teresa Sánchez de Cepeda Dávila y Ahumada, 1515-1582、スペインのアビラ出身、跣足カルメル修道会の創立者、1622年列聖、1970年教会博士)

11月  Novembre

6日 福者ホセファ・ナバル・ヒルベスおとめJosefa Naval Girbés, 1820-1893、スペインのアルヘメジ出身、カルメル第三会員、1988年列福)

7日 福者イエス・マリア・ヨセフのフランシスコ・パラウ司祭Francisco de Jesús, María, y José, Francisco Palau y Quer, 1811-1872、「カルメル宣教修道女会」と「テレジアのカルメル宣教修道女会」を創立、1988年列福)

8日 三位一体の聖エリザベトおとめÉlisabeth de la Trinité, Élisabeth Catez, 1880-1906、フランスのディジョンのカルメル会修道女、2016年列聖)

14日 カルメル会の諸聖人Tous les saints de l'Ordre du Carmel

15日 カルメル会の諸死者Tous les défunts de l'Ordre du Carmel

19日 聖ヨセフの聖ラファエル・カリノフスキー司祭Raphaël de Saint-Joseph, Rafał Kalinowski, 1835-1907、ポーランドのヴィルナ出身、42歳でカルメル会に入り、47歳で司祭叙階、1990年列聖)

29日 福者ご降誕のディオジニオ司祭と十字架のレデンプト修道士殉教者Denis de la Nativité, Pierre Berthelot, 1600-1638、フランスのオンフルール出身、Redento da Cruz, Thomas Rodrigues da Cunha, 1598-1638、ポルトガルのパレデス出身、ともにスマトラ島で殉教、1900年列福)

12月  Décembre

11日 イエスの聖マリア・マラビヤスおとめMaría de las Maravillas de Jesús, María Maravillas Pidal y Chico de Guzmán, 1891-1974、マドリード出身、スペインとインドに10の修道院を創立、2003年列聖)

 

14日 わたしたちの父 十字架の聖ヨハネ司祭教会博士Juan de la Cruz, Juan de Yepes Álvarez, 1542-1591、スペインのフォンティベロス出身、イエスの聖テレサのよき協力者で最初の男子跣足カルメル会士となる、1726年列聖、1926年教会博士)

16日 福者天使のマリアおとめMaria degli Angeli, Marianna Fontanella, 1661-1717、トリノ出身、1865年列福)

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⑶ カルメル会やカルメル会の聖人についての著作

​ カルメル会の霊性を知るためには、カルメル会の諸聖人の著作、あるいはカルメル会の諸聖人についての著作をお読みいただくのが一番良いと思います。

 

 翻訳も含め、たくさんの書籍が出版されていますので、以下、主なものを紹介させていただきます(品切のものもあります)。

 

 各書籍の紹介文は、その多くが、出版社の書籍通販サイトや出版目録に書かれている文章をそのまま掲載させていただいたものです。

カルメル書籍一覧

ドン・ボスコ社刊行の書籍

《イエスの聖テレサ》

・イエズスの聖テレジア『完徳の道』(東京女子カルメル会訳)〜カルメルにおいて、観想を目指す念祷生活をどのように生きなければならないかを霊的娘たちに語る書。カルメリットの教科書とも言われるほど大事にされてきた教え。⇒アマゾン

・イエズスの聖テレジア『霊魂の城』(東京女子カルメル会訳)〜もっとも大切なものは「神と隣人に対する愛」。すべての人の中に住まわれる神と親しく生きることに招く、イエスの聖テレサ(アヴィラの聖テレジア)の名作。

・イエスの聖テレジア『創立史』(泰阜女子カルメル会改訳)〜イエスの聖テレサによる、修道院創立事業中の実話。単なる歴史書にとどまらず、私たちに霊的な注意や教えを与え、もっとも美しい徳の模範を示してくれる。(2021年8月、新しい版が出ました。それに伴い、「イエズスの聖テレジア」の表記が「イエスの聖テレジア」に変わるなど、誤字・脱字の修正を含む、一部の表現や表記が改められています。)【2021年8月刊】アマゾン

《十字架の聖ヨハネ》

・十字架の聖ヨハネ『愛の生ける炎〔新装改訂版〕』(山口女子カルメル会改訳)〜十字架の聖ヨハネが1585年ごろ、ペニャロサのアナ夫人の願いによって書いたとされる書。

・十字架の聖ヨハネ『カルメル山登攀』(奥村一郎訳)〜神との一致に達するために、どのように心を整えたら良いか、霊的な道の始めにある人、またすでにその進歩の途上にある人にあてられたすすめと教え。

・十字架の聖ヨハネ『カルメル山登攀』(ペトロ・アルペ=井上郁二共訳、1957年)〜良い翻訳との評判でしたが、現在は品切れです。

・十字架の聖ヨハネ『暗夜』(山口女子カルメル会訳)〜「暗夜」とは、霊魂がこの世において、可能な限り神との一致に達するために、霊的な道を進んでいく状態であり、本書はその状態をうたった詩とその解説。

・十字架の聖ヨハネ『霊魂の暗夜・愛のいける焔』(ペトロ・アルペ=井上郁二共訳、1960年)

・『十字架の聖ヨハネ小品集』(東京女子カルメル会訳)〜十字架の聖ヨハネの言葉の数々。16世紀のカルメル会修道者で、数々のすぐれたキリスト教神秘主義の著作を残した。

​・『十字架の聖ヨハネ詩集』(西宮女子カルメル会訳注)

・十字架の聖ヨハネ『霊の賛歌』(東京女子カルメル会訳)〜42の霊の賛歌集。美しい翻訳で新たに紹介する、すぐれて神秘的な著作。十字架の聖ヨハネは、この詩の中で、神の体験を描写し、詩につづく注解の中で、それを説明しようとする。十字架の聖ヨハネの円熟期の作品で、傑作である。

・ノバート・カミン『愛するための自由/十字架の聖ヨハネ入門』(山口女子カルメル会訳)〜十字架の聖ヨハネの神への愛、神への一致に至る道、黙想と観想についてなど、彼の著作を交えながら本当の愛に導く。
 

《幼きイエスの聖テレーズ》

・『幼いイエスの聖テレーズ自叙伝/その3つの原稿』(伊従信子改訳)〜『小さき花』という自叙伝をテレーズ自身の手による構成に近い形で復元し、訳出したもの。現代に神の慈しみを伝える聖女の自叙伝。⇒アマゾン

・カルメル会『リジューの聖テレーズ/小さい花の物語』(山口女子カルメル会訳)〜15歳でカルメル会に入会、24歳で病に冒され帰天するその日まで、神に信頼を置き、幼子のようにイエスを慕い、愛にあふれる小さい道を歩み続けたカルメル会修道女、世界でいちばん愛される聖人といわれるリジューの聖テレーズの生涯の物語。⇒アマゾン

・やなぎやけいこ『イエスの小さい花/リジューの聖テレーズの生涯』〜「小さい」テレジアと呼ばれて親しまれているテレーズの伝記。ただひたすらイエスの愛に燃え尽きた生涯を描く。〔ドン・ボスコ新書〕

・菊地多嘉子『果てしない希望/リジューのテレーズ』〜テレーズの聖性をさまざまな視点から見つめた霊性の書。別離のときも、病の苦しみのときも、希望を失わなかった聖女テレーズの一生をたどる。

・V・ジョンソン『テレーズのことば』(田代安子訳)〜テレーズの小さい道とは、「霊的な幼子の道、信頼、完全に自分を神様に任せる道」。テレーズの言葉をもとに、小さな愛の道を綴った書。

・ヨセフ・ピアット『ある家庭の物語/テレーズを育てた母と父』(伊従信子訳・編)〜テレーズなどの修道女を育てた両親。いつどこでも変わらない愛の営みの神聖な場としての家庭の姿を、生き生きと呼び覚ましてくれる一冊。

・バルトリーノ・バルトリーニ『小さいテレーズの祈り』(石川康輔訳)〜テレーズが多くの著作の中に残した、イエスとマリアにささげた祈り。

《三位一体の聖エリザベット》

・三位一体の聖エリザベット『いのちの泉のほとりにて』(伊従信子訳)〜2006年10月に列聖された三位一体の聖エリザベットの26年の生涯と、彼女が残した折々の言葉集。生涯をかけて心の深みに住まわれる神とともに生きたエリザベットが、自身の体験をもとに「神のいのちの泉」の愛の豊かさを賛美する。〔ドン・ボスコ新書〕⇒アマゾン

・菊地多嘉子『三位一体のエリザベト/神は私のうちに 私は神のうちに』〜2006年帰天100周年記念出版。21歳でカルメル会に入会し、26歳で帰天する三位一体の神秘に生きた一修道女の生涯。

​・ディジョン女子カルメル会編『追憶 三位一体のエリザベット伝』(カルメル会訳)

《十字架の聖テレジア・ベネディクタ(エディット・シュタイン)》

・「カトリック生活」2020年10月号特集「エディット・シュタイン」

 

《その他》

・ラウレンシオ修士『神の現存の体験』(東京女子カルメル会訳)〜生涯、神の現存の修行(神との親しい沈黙の語らい)を続けたカルメル会のラウレンシオ宗旨の談話や書簡を収載。キリスト教的完徳の要約ともいうべき、一修道士の模範と教え。⇒アマゾン

​・聖マリアのフランシスコ『カルメル会の会則とその精神』(男子カルメル会訳、1962年)⇒アマゾン

ドンボスコ

女子パウロ会刊行の書籍

《幼きイエスの聖テレーズ》

・蛯名啓(文)=石倉淳一(絵)『小さい花のテレジア』〜こども向け伝記絵本。

・レイモンド・ザンペリ編『リジューのテレーズ 365の言葉』(伊従信子訳)〜リジューのテレーズが残した、愛・信頼・委託・喜び・感謝の言葉集。

・伊従信子『テレーズを愛した人びと』〜テレーズと魂の奥深くで響きあった11人の愛の道。三位一体のエリザベット、姉レオニー、宮沢賢治、マザー・テレサ、三木露風ら8人の、魂の奥深くでの聖女との響き合いや、聖女の愛した聖母、十字架の聖ヨハネ、聖パウロとの親交を描く。聖テレーズの小伝付き。

・ジャック・ゴティエ『イエスの渇き/小さきテレーズとマザー・テレサ』(伊従信子訳)〜世界中の人々に今なお敬愛され慕われる聖女小さきテレーズとマザー・テレサ。二人の愛の道を辿る黙想集。

・パトリック・エイハーン『モーリスとテレーズ/ある愛の物語』(岡田茂由子訳)〜リジューの聖テレーズと苦悩する若き司祭の友情あふれる往復書簡。20世紀の聖女として世界的に親しまれ愛されているテレーズが、燃える思いをもって宣教を志しながらも、弱さと罪深さに苦闘する若き宣教師志願者に、死の床にあって、心をこめ力をつくして神の愛を伝え、支え続ける愛の物語。「アデュ、親愛なる、愛する兄弟よ。永遠にずっとわたしがあなたの本当の小さな姉妹であると、信じていてください。」

・フランシス・ホーガン『テレーズ/その生涯における祈りと苦しみ』(山口女子カルメル会訳)〜日本で一番人気のある聖人の一人である小さき花の聖テレーズ。彼女の自叙伝、手紙、祈り、家族の物語、伝記は、たくさん出版されていますが、本書は、聖女が隠れて生きた苦しみを取り上げます。

 

《その他》

・福岡女子カルメル会編訳『沈黙を聴く/現代の神秘家モーリス・ズンデルの人と霊性』〜彼のイメージは、わたしにとって、現代の十字架の聖ヨハネを思わせる。(奥村一郎)⇒アマゾン

・女子パウロ会編『今を生きる女子修道会/現代社会への挑戦』〜「あけぼの」創刊50周年記念刊行。山口女子カルメル会が紹介されています。

・「あけぼの」25周年記念別冊『女子修道院めぐり』〜女子パウロ会発行の月刊誌「あけぼの」の別冊(1979年)。木村尚三郎氏(東大教授)・高橋重幸神父(トラピスト)・高橋たか子氏(作家)による鼎談のほか、東京女子カルメル会のルポルタージュもあります。

・奥村一郎『友の祈り(1986年)

・奥村一郎『断想/足元を深く掘れ』(1990年)⇒アマゾン

・奥村一郎『主とともに/十字架の道行と黙想』(1998年)〜カトリック教会の伝統的な信心業である十字架の道行きの祈りの3つのタイプを紹介しています。深い内省へと導かれる書。⇒アマゾン

・奥村一郎『祈り』(1999年、改訂版2018年)〔パウロ文庫〕⇒アマゾン

・モーリス・ズンデル『内なる福音』(福岡女子カルメル会訳、1994年)⇒アマゾン

・モーリス・ズンデル『喜びのあかし』(福岡女子カルメル会訳、1995年)⇒アマゾン

・モーリス・ズンデル『日常を神とともに』(福岡女子カルメル会訳、1998年)⇒アマゾン

・モーリス・ズンデル『人間を見るもう一つのまなざし』(福岡女子カルメル会訳、2000年)⇒アマゾン

​・原 造『修道院の庭』(2018年)〜この世に、しかも身近に、自分のためではなく、神と人びとのために隠れて生きる人びとがいることを知った──人生の黄昏時を迎えたカルメル会修道士が、祈りの日々のうちに、折にふれて綴った随想集。⇒アマゾン

女子パウロ会

聖母の騎士社刊行の書籍

《イエスの聖テレサ》

・フランシスコ・ハビエル・サンチョ・フェルミン『イエスの聖テレサと共に祈る』(伊達女子カルメル会訳)〜スペインの「聖テレサ・聖ヨハネ国際センター」所長ハビエル・サンチョ師の著書「聖テレサと共に祈る」の翻訳版。現代社会を生きる私たちにとって祈りに心を向けることは難しいことです。アビラの聖テレサの生涯を通じて、祈りをわかりやすく解説したこの手引書は、「祈り」を身近なものとしてくれます。⇒アマゾン

《十字架の聖ヨハネ》

・カルメル修道会編『愛への道/十字架の聖ヨハネの生涯と教え』

・聖マリアのフランシスコ『愛と無/十字架の聖ヨハネを読むために』(西宮女子カルメル会訳)

・伊従信子編訳『福者マリー・エウジェンヌ神父に導かれて 十字架の聖ヨハネの ひかりの道をゆく』

《幼きイエスの聖テレーズ》

・リジュのカルメル修道院編『リジュの聖テレジア・最後の会話/私はいのちに入ります』(伊庭昭子訳)

・コンラッド・ド・メーステル『テレーズ/空の手で』(福岡女子カルメル会訳)〜15歳でカルメル修道院に入り、ひたむきに神への愛に生きたテレーズは言う。「私の天職、それは愛です。母なる教会の心臓の中で、私は愛になりましょう。」今もテレーズは、人を惹きつけずにおかぬ不思議な魅力を持っている。それでいて、テレーズの生涯はどんな人でも経験するようなもの。ありふれたキリスト者の生涯といえるだろう。

・ギイ・ゴシェ『死と闇を超えて/テレーズ最後の6ヶ月』(福岡女子カルメル会訳)〜没後まもなく、宗教、宗派、文化、民族の壁を超えて、数知れないほど多くの人々に福音の光と慰めを力強く伝えてきたテレーズのメッセージが、宗教と文化の雑居する現代日本において、本書を通じ、人間の究極的課題である真実の愛の意味と重さを分からせてくれることを信じ、また願いたい。

・G・ゴッシェ『テレーズ・マルタン/ある人生のものがたり』(徳山登訳)〜この本でテレーズに初めて出会った人は驚嘆するでしょう。またすでにテレーズを知っていた人々にも新たな感激を与えるでしょう。テレーズの長所だけでなく、短所・欠陥によっても親近感を覚え、深く心を打たれるでしょう。テレーズがどうしてこんなに早いスピードで、偉大で親しまれやすい現代の聖人になられたのか。その秘訣がこの本でわかることでしょう。

・伊従信子編『テレーズの祈り』〜若くして聖徳に輝いた幼きイエスの聖テレーズはどのように祈っていたか。聖女にならって神に語りかけてみよう。

《十字架の聖テレジア・ベネディクタ(エディット・シュタイン)》

・ジョン・サリバン編『聖なる住まいにふさわしき人/エディット・シュタイン列聖のドキュメント』(木鎌耕一郎訳)

・鈴木宣明『エディット・シュタイン/愛のために』

《三位一体の聖エリザベット》

・伊従信子『神はわたしのうちに わたしは神のうちに/三位一体のエリザベットとともに生きる』

・フランシスコ・ハビエル・サンチョ・フェルミン『地上の天国/三位一体のエリザベットの秘密』(西宮女子カルメル会訳)

《その他》

・SMP・ガブリエル『聖性の理想/神との親しさ1』(伊達女子カルメル会訳)

・SMP・ガブリエル『祈りと対神徳/神との親しさ2』(伊達女子カルメル会訳)

・SMP・ガブリエル『心の浄化/神との親しさ3』(伊達女子カルメル会訳)

・SMP・ガブリエル『愛の実践と聖霊/神との親しさ4』(伊達女子カルメル会訳)

・SMP・ガブリエル『秘蹟と使徒職/神との親しさ5』(伊達女子カルメル会訳)

・SMP・ガブリエル『三位一体の神/神との親しさ6』(伊達女子カルメル会訳)

・SMP・ガブリエル『キリスト・イエズス/神との親しさ7』(伊達女子カルメル会訳)

・SMP・ガブリエル『聖マリアと聖ヨセフ/神との親しさ8』(伊達女子カルメル会訳)

・福岡女子カルメル会編『神の恵みの演奏者/ヘルマン・コーヘンの生涯』

・伊従信子編訳『わたしは神をみたい いのりの道をゆく/マリー・ユジェーヌ神父とともに』

聖母の騎士

サンパウロ(旧中央出版社)の書籍

《イエスの聖テレサ》

・イエズスの聖テレジア『自叙伝』(東京女子カルメル会訳)〜もともとユダヤ教徒であったエディット・シュタイン(1891-1942、1998年列聖、十字架の聖テレジア・ベネディクタ)は、1921年にこの本を友人宅で偶然見つけ、読み、カトリックの受洗を決意したと言われています(1922年受洗、洗礼名は聖テレジア)。⇒アマゾン

・トマス・アルバレス『イエスの聖テレサ/霊的な人々の母』(松田浩一訳)〜聖テレサの生涯を年代順にさまざまな角度から、総合的に興味深く語る。祈りを通して、神と出会い、本当の自己を知るに至った聖テレサの生涯は、多くの人に各自の「自己認識」へと至らせる。⇒アマゾン

・マルセル・オクレール『神のさすらい人/アビラの聖テレサ』(福岡女子カルメル会訳)〜アビラの聖テレサの伝記、改訂新版。アビラの聖テレサは、「教会博士」という肩書きからは想像できないほどの労苦を背負っていた。イエス・キリストを信頼し、修道院の創立と改革に尽力した聖テレサの生涯を、余すことなく綴った書。⇒アマゾン

《十字架の聖ヨハネ》
・フェデリコ・ルイス『十字架の聖ヨハネの霊性/フェデリコ・ルイス師の講話』(九里彰訳)〜スペインで「詩人の守護聖人」と称される十字架の聖ヨハネは、日常生活の中で神との親密な関係を生き、またキリストとの愛の交わりを生きた聖人であった。彼は自身の神体験を詩で表現し、自らそれを解説し著作として残している。そんな彼は決して近寄り難い人物だったわけではなく、バランスの取れた温厚な人であった。インターネットやAIが発達する現代において、神への信仰を生きることの意味を十字架の聖ヨハネの思想、生涯の中に探る。

・ウィリアム・ジョンストン『愛と英知の道/すべての人のための霊性神学』(九里彰監訳)〜西洋と東洋の神秘主義の伝統に通暁した著者が、21世紀というグローバル化し、「地球家族」となった現代世界のすべてのキリスト者に遺した霊的生活の道しるべ。「すべての人は、聖職位階に属している人も、あるいはそれによって牧されている人も、皆聖性へと召されている。『あなたが聖なる者となること、これが神の望みである』と使徒が言っているとおりである」(『教会憲章』39)。本書は、十字架の聖ヨハネが16世紀に向けてなしたことを、21世紀に向けて行なおうとする、ささやかな試みです。言いかえると、その目的は、命の水を渇望する人たちへ、観想的な祈りを教えることです。筆者は、主にキリスト信者を念頭に置いて筆を進めますが、真理の探究において私どもと心を一つにしておられる方々にも、本書がいささかなりともお役に立てれば幸いです。

《幼きイエスの聖テレーズ》

・『幼いイエズスの聖テレーズの手紙』(福岡女子カルメル会訳)⇒アマゾン

・『テレジアの詩』(伊庭昭子訳)

・ヴィクトル・シオン『祈りの道/リジューの聖テレジアと共に歩む』(西宮女子カルメル会訳)〜テレーズの祈りは、飾り気なく、明確に、また味わい深く、時には苦しみつつ神に到達していた。彼女から祈りへの生活に惹かれる人びとは、霊感と導きを得、最もふさわしい祈りを学びとれる。祈りの生活を志す人の必読書。

・サンパウロ編『写真集 テレーズ』〜幼い頃から、そして死にいたるまで、キリストへの愛と「小さな道」を歩み続けた聖テレーズの生涯を写真でたどる。今でも巡礼者の絶えない、テレーズゆかりの地も紹介。⇒アマゾン

・伊従信子『テレーズの約束/バラの雨』〜テレーズの生涯におけるポイントを追いかけながら、彼女の人間味あふれる生き方を紹介する。読者の理解を助けるため、フランスのリジューから取り寄せた貴重な資料写真も掲載。

・伊従信子訳・編『弱さと神の慈しみ/テレーズとともに生きる』〜ヨハネ・パウロ二世によって女性教会博士に宣言された聖テレーズ。彼女の祈りと言葉を通して届けられるメッセージは、人間の根底にある弱さに悩む現代人へ“優しさと慈しみ”を教える。

・幼きイエズスのマリー・エウジェンヌ『わがテレーズ 愛の成長』(伊従信子訳)〜テレーズの死の3年前に生まれた著者が、同じカルメル会士として、テレーズの実姉たちから直接聞いた数々の意外なエピソードや打ち明け話を紹介、テレーズの生き生きとした飾り気のない姿を描く。

・マリー=パスカル・デュクロク『私の使命 それは愛です/小さきイエズスのテレジア』(西宮女子カルメル会訳)〜テレジアは、心の底まで使徒であり、近くは家族・修道家族、遠くは全世界の宣教師・恩恵の次元での罪人など、絶えず他者に関わっていた。これらすべては、彼女にとっては一つであった。

《その他》

・ピーター・トマス・ロアバック『カリットへの旅/カルメル会の歴史』(女子カルメル会訳・男子カルメル会監修)〜カルメル会の歴史に関する著書で、これ以上のものはないと言われている。本書は会の歴史と精神性にとどまらず、その歴史的背景を生き生きと描き出しているところにも大きな魅力がある。⇒アマゾン

・シスター・メアリー・マコーマック『森の静けさのなかで/カルメルの伝統における祈り』(福岡女子カルメル会訳)〜絵と本文に写真満載!! 女子観想修道会のシスターたちの生活と祈り。世界的に蔓延する刹那主義や騒音、膨大な情報、また、命を脅かす武力紛争と暴力、さらに温暖化による気候変動がもたらす異常事態に見舞われている現代にあって、英国・ロンドン中心部にある禁域と言われる女子カルメル会が森の中にたたずむ。著者は、その中で静かな沈黙の祈りの生活によって神との親しい交わりをもって生きるシスターである。本書は、神を求める読者に祈りへの道しるべとなる方法を示してくれるであろう。⇒アマゾン

・レナト・フィリピーニ=大分女子カルメル修道会(共著)『主日の福音を生きる〔B年〕——日々の生活をみことばとともに』〜『主日の福音を生きる〔C年〕』に続く本書は、3年周期で読まれる主日の福音朗読に合わせ、2020年の待降節第1主日から始まったB年に中心的に読まれるマルコ福音書に光をあてる。神が人に求めておられることを日常生活の中で絶えず思い起こし、自分自身の生き方をとおして証ししていくための方法を教えてくれる書である。【2020年11月刊】アマゾン

サンパウロ

その他の出版社刊行の書籍

《イエスの聖テレサ》

・聖テレジア『完徳の道』(カルメル会訳、岩波文庫、1952年)〜元イエズス会総長・上智大学教授のペトロ・アルペ神父様(1907-1991)の24頁に及ぶ詳細な解説付きです。1952年第1刷発行。1991年第7刷発行。⇒アマゾン

・『詩集』(西宮女子カルメル会訳、世のひかり社)

・マザー・フォーブス『アヰラの聖テレジア』(嘉治瑠璃子訳、カトリック中央書院、1936年)

《十字架の聖ヨハネ》

・ルシアン・マリー編『十字架の聖ヨハネ詩集』(西宮女子カルメル会訳、新世社、2003年)

《幼きイエスの聖テレーズ》

・『小さき花/乙女テレジア之自叙傳』(シルベン・ブスケ訳、聖若瑟教育院、1911年初版、1915年再版)

・シルベン・ブスケ『小さきテレジア』(聖若瑟教育院、1914年)

・シルベン・ブスケ『小さきテレジア/子供の為に』(福音社書店、1925年)

 

《十字架の聖テレジア・ベネディクタ(エディット・シュタイン)》

・エディット・シュタイン『現象学からスコラ学へ』(中山善樹訳、九州大学出版会、1986年)

・マリア・アマータ・ナイヤー『エーディット・シュタイン/記録と写真に見えるその生涯』(マリア・マグダレーナ・中松訳、エンデルレ書店、1992年)

・須沢かおり『エディット・シュタイン/愛と真理の炎』(新世社、1993年)

《三位一体の聖エリザベット》

・フィリッポン『三位一体のエリザベット童貞の霊的教説』(東京女子カルメル会訳、ヴェリタス書院、1951年)

《その他》

・奥村一郎『聖書深読法の生い立ち/理念と実際』(オリエンス宗教研究所、1991年)

・奥村一郎『祈りの心/愛の息吹』(海竜社、2001年)

『奥村一郎選集』全9巻(オリエンス宗教研究所、2007〜2009年)⇒アマゾン

・中川博道『存在の根を探して/イエスとともに』(オリエンス宗教研究所、2015年)⇒アマゾン

その他の出版社

​さらに詳しく知るために Pour en savoir plus...

【カルメル会の歴史や霊性を全体的に知るための書籍】

  • ピーター・トマス・ロアバック著(女子カルメル会訳・男子カルメル会監修)『カリットへの旅——カルメル会の歴史』(サンパウロ、2003年)⇒アマゾン

【歴史・霊性に加え、新しい情報を知るためのインターネットサイト】

 

カルメル会とは: 概要
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